
スーツケース完全ガイド
国内線のスーツケースに液体を入れていいのか、どこまでが機内持ち込みできて、どこからが預けるべきなのか、正直かなりややこしいですよね。
国内線の液体の機内持ち込みルールや、スーツケースに入れて預けるときの液体制限、国際線と国内線で違う液体ルール、ペットボトル飲料や化粧品スプレーの扱いなど、調べれば調べるほど情報がバラバラで不安になってしまいます。
とくに、国際線でおなじみの「100ミリリットル・1リットル透明袋」のイメージが強いと、国内線でも同じようにしないといけないのでは?と心配になりがちです。
ところが、実際の国内線ではルールの考え方がかなり違っていて、危険物にあたらない液体なら意外と自由度が高かったりします。
その一方で、スプレー缶や高濃度アルコールなど、「知らないとアウトになりがちなグレーゾーン」もちゃんと存在するので、ここを整理しておくことがすごく大事なんですよね。
この記事では、国内線のスーツケースに入れる液体をどう仕分けするか、機内持ち込みと預け入れの違い、JALやANAなど主要航空会社の国内線液体ルールのポイント、アルコールやスプレーの扱い、そしてLCC利用時にありがちな重量オーバーを避けるコツまで、旅行好きの目線で分かりやすく整理していきます。
読み終わるころには、「どの液体をどこに入れればいいか」がスッキリ整理できて、安心してフライトに向かえるようになるはずです。
これから国内線のフライトでスーツケースにプリンや地酒、化粧水、ヘアスプレー、ペットボトル飲料を入れて持っていきたいあなたに向けて、「ここだけ押さえれば大丈夫」というポイントを一つずつ噛み砕いて解説していきます。
この記事で分かること
- 国内線と国際線で異なる液体ルールの違い
- JAL・ANAなど主要航空会社の国内線液体ルール
- スーツケースに液体を入れて預けるときのパッキング方法
- LCC利用時に液体で重量オーバーしないためのコツ
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国内線でのスーツケースの液体ルール基礎知識

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まずは、「国内線のスーツケースと液体」に関する基本ルールをざっくり整理しておきます。
ここを押さえておくと、あとで細かいケースを考えるときも迷いにくくなりますし、空港で急に慌てることもグッと減りますよ。
機内持ち込み液体国内線の基本
国内線の液体ルールで一番大きなポイントは、国際線によくある「100ミリリットル以下・1リットルの透明袋」といった量的制限が、基本的にないことです。
国内線では、水やお茶などの飲料は容量に制限なく機内持ち込みが可能で、2リットルのペットボトルでもルール上は問題ありません。
「え、本当に?」と思うかもしれませんが、日本の主要空港や航空会社の案内でも、国内線についてはそのように説明されています。
とはいえ、「じゃあ何でもノーチェックで持ち込める」という意味ではありません。保安検査場では、ペットボトルや水筒などの液体は、X線だけでは判別が難しいため、専用の液体検査装置にかけて中身が危険物でないかを確認します。
このとき、バッグの奥にしまったままだと検査員から「取り出してください」と言われて二度手間になりがちなので、最初からトレーに出しておくとスムーズです。
もう一つのポイントは、「液体」と一口に言っても、飲料だけでなく、化粧水・乳液・ジェル・ペースト状の食品など、形が変わるものは基本的に同じ扱いになるということです。
国際線と違って、国内線ではそれらをまとめて透明袋に入れる必要はありませんが、保安検査で「あやしい液体がたくさん入っているバッグ」と見なされないように、ある程度まとめておくと検査がスムーズです。
また、スーツケースのペットボトル問題解決!国際線対策も合わせてご覧頂くことで、飛行機への液体持ち込みルールについて理解が深まると思います。
そして、ここから先のセクションで何度も出てくるキーワードが「0.5リットル/2リットルの目安」です。
飲料そのものにはこの制限はかかりませんが、化粧品や医薬品、スプレーなどの一部の液体・エアゾールについては、「1容器0.5リットルまたは0.5キログラム以下、1人あたり合計2リットルまたは2キログラム以下」という基準が、日本の空港や航空会社の案内の中で示されています。
たとえば、500ミリリットルのヘアスプレーを1本、300ミリリットルの制汗スプレーを2本持っていく場合、合計は1.1リットルなのでこの目安の範囲に収まります。
一方、500ミリリットルのスプレーを5本持っていくと合計2.5リットルになり、2リットルの目安を超えてしまうイメージです。
ここまで極端なケースはあまりないと思いますが、「あくまで一人あたりの目安がある」という感覚は持っておくと安心ですよ。
なお、この0.5リットル/2リットルの基準はあくまで「危険物に該当する可能性がある一部の品目」に対して適用されるものです。
ミネラルウォーターやお茶、ジュースなどの飲料については、国内線では原則として容量制限はなく、「危険物でないこと」「検査で安全が確認されること」がクリアできれば持ち込み可能と考えて大丈夫です(氷やスープなど、例外的な扱いになることもあるので、気になる場合は航空会社に確認してください)。
詳しい条件を確認したい場合は、羽田空港の公式サイトなどで、国内線における液体持ち込みの説明がまとまっています。(出典:東京国際空港「Flights & Procedures よくあるご質問」)
ここまでのまとめ
- 国内線は国際線のような100mlルールは基本なし
- 飲料は容量制限よりも「危険物かどうか」がポイント
- 化粧品・スプレーなど一部の液体は0.5L/2Lの目安がある
- 保安検査をスムーズにするために、液体は取り出しやすくしておく
JAL 国内線の液体ルール

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次に、JAL国内線の液体ルールをもう少し具体的に見ていきます。あなたがJAL便を使う予定なら、ここはしっかり押さえておきたいところです。
まず大枠として、JALも国内線に関しては「飲料の容量制限は設けていない」スタンスです。ペットボトルの水やお茶、ジュースなどは、危険物にあたらない範囲であれば、機内持ち込みも預け入れも可能です。
ただし、保安検査を通過するときには、X線検査と液体検査装置で中身をチェックされるので、トレーに出しておくのが鉄則です。
一方で、化粧品や医薬品、スプレーなどについては、JALの危険物関連の案内の中で、「1容器0.5キログラムまたは0.5リットル以下、1人あたり2キログラムまたは2リットル以下」という数量制限が示されています。
これは、トイレタリー(ヘアスプレーや香水、シェービングフォームなど)や一部の医薬品スプレーなど、引火性や圧力を伴う製品に対して適用される目安です。
ここで注意したいのが、「容器の表記容量で判断される」という点です。
たとえば、1リットルサイズのボトルに半分だけ化粧水が入っている場合、中身は500ミリリットルでも容器は1リットルと見なされるため、「1容器0.5リットル以下」という条件を満たしません。
このようなボトルは、機内持ち込みも預け入れも断られる可能性があります。
JAL便で国内線に乗るとき、私がよくやっているのは、「フルサイズのボトルは基本的にスーツケースに入れて預ける」「機内で使う分だけトラベルボトルに詰め替える」というスタイルです。
こうしておくと、保安検査でも荷物整理でも、かなりストレスが減りますよ。
また、JALは公式サイトで危険物の一覧や、機内持ち込みと預け入れの可否を表にして公開しています。新しい製品やちょっと特殊なスプレーを持っていきたい場合は、必ずJAL公式サイトの最新情報をチェックしてからパッキングするのがおすすめです。
「名前はスプレーだけど、中身はほぼ工業用」という製品も増えてきているので、迷ったときは自己判断せずに確認しておきましょう。
最後にもう一つ。国内線だけのつもりでJAL便を取っていたのに、急きょ国際線に乗り継ぐことになった、なんてケースもゼロではありません。
この場合、国際線区間では100ミリリットル/1リットルの制限が一気に立ち上がるので、なるべく普段から「トラベルサイズ中心で持ち歩く」という習慣をつけておくと、急な予定変更にも対応しやすくなります。
JAL便ならではの安心ポイント
JALは空港カウンターやコールセンターの対応も比較的手厚く、「これは大丈夫?」「これは預けたほうがいい?」という相談にも丁寧に乗ってくれる印象です。
ただし、最終判断はそのときの保安検査場や担当者に委ねられる部分もあるため、この記事の内容はあくまで一般的な目安として捉え、正確な情報は必ずJAL公式サイトや問い合わせ窓口で確認してもらえればと思います。
ANA国内線の液体制限
続いて、ANA国内線の液体制限についてです。JALと似ている部分も多いですが、公式サイトの表現やページ構成が違うので、ANA派のあなたはこちらの考え方で整理しておきましょう。
ANAの国内線では、機内持ち込み手荷物のサイズや個数のルールが決まっているのはもちろんですが、液体についても「食品」「飲料」「化粧品」「スプレー」「医薬品」などのカテゴリごとに細かい条件がまとめられています。
特にポイントになるのが、化粧品・医薬品・スプレー類に対する0.5リットル/2リットルの数量制限です。
ANAの案内では、たとえばトイレタリーや薬用スプレーなどについて、「1容器0.5キログラムまたは0.5リットル以下、1人あたり2キログラムまたは2リットル以下」という表現で数量制限が明記されています。
この条件を満たしていれば、原則として機内持ち込みも預け入れも可能ですが、引火性が高すぎるものや、危険物に該当する成分を含むものは、そもそも輸送できないケースもあります。
ANA国内線で実際に多いのは、
- ヘアスプレー、制汗スプレー、日焼け止めスプレー
- 消毒用アルコールスプレー、殺菌スプレー
- ジェル状のヘアワックスやスタイリング剤
といったあたりです。これらは、容器の大きさが0.5リットル以下で、合計が2リットルを大きく超えない範囲なら、基本的には持ち込み・預け入れともに問題ないことが多いです。
ただし、最近は高濃度アルコールの消毒液や、強力な薬剤を使った製品も増えているので、ラベルに「火気厳禁」「高圧ガス」などの表示があるものは、危険物として扱われる可能性が高いと考えてください。
ANAの場合、「どのカテゴリに当てはまるか分からない」「ラベルが外国語でよく分からない」というときには、カウンターで相談するとチェックしてもらえることがあります。
その場でOKと判断されても、最終的には保安検査場の判断になるので絶対ではありませんが、事前に相談しておくことで、没収リスクをかなり減らせるのは確かです。
また、ANAは食べ物や飲み物についての案内ページも分かりやすく、国内線での液体持ち込みに関して「瓶入り飲料は壊れやすいので、できれば機内に持ち込むことを推奨」といった実務的なアドバイスも載せています。
スーツケースに瓶を入れて預けるときは、パッキングをかなりしっかりしないと破損リスクがあるので、このあたりも含めて公式情報は目を通しておくと安心です。
ANAユーザーのための液体チェックリスト
ANA国内線に乗る前に、私がよくやっている簡単なチェックを紹介しておきます。
- 化粧品・スプレーは「容器の大きさ」と「本数」をざっくり把握しておく
- アルコール度数の高いお酒は、ラベルで度数を確認しておく
- 成分がよく分からないスプレーは、事前にANAのサイトか窓口で確認
この3つを押さえておくだけでも、「空港で突然NGと言われて慌てる」パターンはかなり減らせるはずです。
ANA国内線液体とジップロック

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国内線では透明ジップロック袋の使用が義務ではないと話しましたが、ANA国内線でも、私はあえてジップロックを積極的に使う派です。ここでは、その理由と具体的な活用法をもう少し掘り下げていきます。
まず、ジップロックの一番のメリットは「見せやすさ」と「漏れにくさ」です。保安検査で「液体類を見せてもらえますか?」と言われたとき、バッグの底から1本ずつ掘り出すのはかなりストレスですよね。
ところが、化粧品や医薬品をジップロックにひとまとめにしておけば、その袋ごとトレーにポンと乗せるだけでOKです。検査員側にとっても中身が一目で分かるので、結果として通過がスムーズになります。
次に、漏れ防止の観点。飛行機の貨物室や客室は地上より気圧が低いため、容器内部の空気が膨張し、よく締めたつもりの蓋からも少しずつ液体がにじみ出てしまうことがあります。
ジップロックは「二重のフタ」のような役割をしてくれるので、万が一ボトルが少し漏れても、ジップロックの中で被害を止められます。
具体的な使い方としては、
- 洗顔・クレンジング・化粧水・乳液などのスキンケア一式を1袋にまとめる
- リキッドファンデ・下地・クリーム系コスメなど、メイク用液体を1袋にまとめる
- 歯磨き粉、コンタクト液、整髪料など「洗面台に置きたいもの」を1袋にまとめる
といった感じで、「使うシーン別」に袋を分けておくと、旅先での出し入れがとても楽になります。ホテルに着いたら、必要なジップロックだけ洗面所に持っていけばいいので、スーツケースを何度もガサゴソする必要がなくなりますよ。
また、ANA利用時に国際線との乗り継ぎがある場合は、ジップロックの使い方を少しだけ変えます。
国際線区間では100ミリリットル以下の容器を1リットルの透明袋にまとめる必要があるため、「最初からそのルールを意識したサイズ感で詰めておく」と、国内線からそのまま国際線へ移動するときもスムーズです。
トラベル用ミニボトルや、ドラッグストアで売っている小分け容器を使うと、このあたりの調整がかなりやりやすくなります。
ジップロック選びのちょっとしたコツ
- 厚みのあるフリーザーバッグタイプの方が破れにくく安心
- サイズ違いを2〜3種類持っておくと、旅行スタイルに合わせやすい
- ラベルシールや油性ペンで「スキンケア」「メイク」などと書いておくと、取り出しやすさアップ
「国内線だからジップロックはいらないかな」と思っているあなたも、一度使ってみると快適さにハマるかもしれません。荷物がきれいに整理されていると、それだけで旅のストレスが一段階下がりますよ。
飛行機でスーツケース入れてはいけないもの(国内線)

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ここからは、「そもそも国内線の飛行機に載せてはいけないもの」を整理していきます。
ここは少しシビアな話になりますが、知らないと危険物扱いでその場で没収、最悪の場合は搭乗を断られるリスクもゼロではないところなので、しっかり押さえておきましょう。
日本の航空機で運べない危険物については、航空法や国土交通省の通達で定められており、爆発物・可燃性の高い液体・高圧ガスなどは、機内持ち込みも預け入れも原則禁止とされています。
これらの詳細は、国土交通省航空局が公表している危険物関連資料にもまとめられていて、「航空機に持ち込めるかどうかは、危険物の分類に応じて決まる」という考え方がベースになっています。
代表的な「スーツケースに入れてはいけないもの」を、液体やスプレー周りに絞って挙げると、次のようなものがあります。
| 分類 | 具体例 | 国内線での扱い |
|---|---|---|
| 高濃度アルコール | アルコール度数70%超のスピリッツ | 機内持ち込み・預け入れともに原則不可 |
| 工業用スプレー | 防水スプレー、潤滑油スプレーなど一部 | 成分によっては輸送禁止、事前確認が必須 |
| 可燃性溶剤 | ペイントうすめ液、シンナー類 | 危険物として航空輸送禁止が一般的 |
| ガスボンベ類 | キャンプ用ガス缶、カセットボンベ | 多くの場合、機内持ち込み・預け入れとも不可 |
ここでややこしいのが、「見た目は日用品だけど、中身はほぼ危険物」というアイテムです。
たとえば、防水スプレーには非常に引火性の高いガスや溶剤が含まれていることが多く、ラベルには小さく「火気厳禁」「高温注意」と書かれているだけだったりします。
このような製品は、航空会社の危険物一覧で「輸送不可」とされているケースが多く、スーツケースに入れて預けることもできません。
また、「ガス式ヘアアイロンの予備カートリッジ」「オイル式カイロ用の燃料」「一部の殺虫剤・農薬」なども、液体やガスが危険物に該当するため、輸送が禁止されていることがあります。
特にアウトドア用品やDIY用品は、旅行用というより完全に「作業用」の位置付けのものが多いので、飛行機に持ち込む前に必ず確認しておきたいところです。
スーツケースに入れてはいけないものを完璧に暗記する必要はありませんが、「高濃度アルコール」「工業用スプレー」「ガスボンベ」「溶剤系の液体」がグレーゾーン、もしくはほぼアウト、というざっくりしたイメージを持っておくだけでもだいぶ違います。
あとは、迷ったものが出てきたときに、航空会社や空港の公式情報で確認するクセをつけておけばOKかなと思います。
繰り返しになりますが、この記事の内容はあくまで一般的な目安です。最終的な可否は航空会社や空港、保安検査場の判断に委ねられるため、正確な情報は必ず各社公式サイトや国土交通省などの一次情報を確認し、必要に応じて専門家に相談してくださいね。
国内線 スーツケースの液体の詰め方実践ガイド

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ここからは、実際に国内線でスーツケースに液体を入れるときの「詰め方」「持ち込みと預け入れの分け方」「LCCでの重量対策」など、より実践的な話をしていきます。
あなたがパッキング中にこの記事を開きっぱなしにしておいて、チェックリスト代わりに使えるような内容を目指しています。
預け入れ液体国内線飛行機のルール
まずは、スーツケースに入れて預ける「受託手荷物」の基本ルールから整理していきます。多くの人が「預け入れにしてしまえば、液体は何でも好きなだけOK」と思いがちですが、実はそう単純ではないんですよね。
国内線の場合、危険物に該当しない液体(飲料、シャンプー、ボディソープ、化粧水など)は、基本的に預け入れ可能です。
一升瓶の日本酒やワイン、泡盛なども、割れやすささえケアしておけばスーツケースに入れて預けることができます。
ただし、化粧品や医薬品、スプレー類については、機内持ち込みと同じく「1容器0.5リットル、合計2リットル」という目安が意識されていると考えたほうが安全です。
ここでポイントになるのが、「飲料」と「トイレタリー・スプレー類」の線引きです。一般的なルールとしては、
- ミネラルウォーター、ジュース、牛乳、お茶などは「飲料」として扱われることが多い
- シャンプー、リンス、ボディソープ、化粧水、香水、ヘアスプレーなどは「トイレタリー・化粧品」として扱われる
というイメージです。飲料については、預け入れの数量制限はあまり細かく決められていませんが、重量や壊れやすさの観点から、常識的な範囲で持ち込むことが前提になっています。
一方、トイレタリーやスプレー類は危険物との境界に近いものも多いため、0.5リットル/2リットルという数量目安が設けられている、というわけです。
私自身の感覚としては、「スプレー缶を5本以上まとめて預ける」といったシチュエーションになったら、一度立ち止まって航空会社のサイトを確認する、くらいでちょうどいいかなと思っています。
普通の旅行でそこまでスプレー缶を持ち歩くケースは少ないですが、スポーツ合宿やイベント遠征などで「チーム全員の分を預かっている」なんて場合は、意外とすぐ上限に近づくこともあります。
預け入れ液体の「割れない・漏れない」パッキング術
預け入れで一番怖いのは、ルール違反よりも「割れる・漏れる」です。ここをケアするコツをまとめておきます。
- 瓶入りのお酒や化粧品は、必ず厚手の衣類やタオルで巻いてクッション代わりにする
- キャップが緩みやすいボトルは、口元をラップで覆ってからキャップを閉め、さらにジップロックに入れる
- スーツケースの側面ではなく、中央の衣類が多いゾーンに液体を配置する
この3つを意識するだけでも、「スーツケースを開けたら大惨事」というリスクはかなり減らせます。
特に、瓶入りの地酒やワインは、万一割れるとスーツケースの中身ほぼ全滅、みたいなことになりがちなので、ちょっとやり過ぎかな、くらい丁寧に包んでおくと安心ですよ。
国内線の預け荷物で液体2リットル以上は?

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次に、「合計2リットル以上になりそうなときどうする?」という話をしていきます。化粧品やスプレーをたくさん持っていきたい人、お土産で使い切れない量のトイレタリー類を持ち帰る人にとっては、ここがちょっとした悩みどころですよね。
まず大前提として、化粧品・医薬品・スプレー類についての「合計2リットル」という数字は、あくまで危険物規則上の一般的な目安です。
空港で係員がメスシリンダーを持ってきて、1本ずつ計量される、といったことは通常ありません。
ただし、あまりにも大量に持っていると、「ちょっと多すぎでは?」と判断される可能性は十分あります。
ざっくりとした計算の感覚としては、
- 200mlクラスのスプレー缶:10本でちょうど2リットル
- 300mlクラスのスプレー缶:7本弱で2リットル
- 500mlクラスのスプレー缶:4本で2リットル
といったイメージです。普通の旅行でここまで持っていくケースは少ないですが、「家族や友人の分もまとめて」といった状況だと、うっかり超えてしまうこともあるかもしれません。
また、化粧品のボトルも侮れません。200mlの化粧水を3本、150mlの乳液を2本、200mlのヘアオイルを1本……といった具合に積み上がっていくと、トータルで2リットル近くになることもあります。
トラベルボトルに詰め替えて「必要な分だけ持っていく」スタイルに切り替えると、このあたりの不安が一気に減るのでおすすめです。
どうしても2リットルを超えそうな場合の選択肢としては、
- 本当に必要な分だけを優先順位で選び、それ以外は家に置いていく
- 現地調達できるもの(シャンプーやボディソープなど)は持っていかない
- どうしても持ち帰りたいお土産は、宅配便で陸送にする(ただし宅配会社の規定も要確認)
といったあたりが現実的なところです。特に日本国内の主要都市なら、ドラッグストアの品揃えはかなり充実しているので、「現地で買う」という選択肢も視野に入れておくと気持ちが楽になりますよ。
ここで挙げている数量の例は、すべて「あくまで一般的な目安」です。実際の取り扱いは航空会社や路線、時期によって変わることがあり、最終判断は保安検査場や現場の担当者に委ねられます。
正確な情報は、必ず利用する航空会社の公式サイトで確認し、必要であれば専門家や窓口に相談してください。
化粧品のジップロック活用法
化粧品とジップロックの組み合わせは、個人的に「旅のQOLを爆上げしてくれる最強コンビ」だと思っています。
ここでは、国内線のスーツケースで化粧品を安全かつ快適に運ぶためのジップロック活用法を、もう少し実践的に掘り下げていきます。
まず、ジップロックを使うときに意識しているのは、
- 液漏れ対策
- 仕分けのしやすさ
- ホテルでの「使い勝手」
の3つです。液漏れ対策については先ほども触れましたが、特に化粧品は「とろみのあるテクスチャー」や「オイル系」が多く、一度漏れると他の荷物に広がりやすいのが悩ましいところですよね。
私がよくやるのは、まず化粧水や乳液などのボトルの口元をティッシュかラップで軽く覆い、その上からキャップを締める方法です。
これだけでも、振動でキャップが少し緩んだときのにじみ出しをかなり防げます。そのうえで、同じカテゴリのボトルを1つのジップロックにまとめ、できるだけ空気を抜きながら封をします。
仕分けの観点では、「使うタイミング別」がおすすめです。
- ナイトスキンケアセット(クレンジング・洗顔・化粧水・乳液など)
- 朝用メイクセット(下地・ファンデーション・日焼け止めなど)
- お風呂・洗面グッズ(シャンプー・コンディショナー・ボディソープなど)
といった分け方をしておくと、ホテルに着いたら「今日はこの袋だけ洗面所へ」「明日はこの袋だけ」という感じで、シーンごとに持ち運びができてとても便利です。
スーツケースの中でも、これらのジップロックを同じエリアにまとめておくと、「スキンケア一式どこいった?」と探しまわることがなくなります。
さらに一歩踏み込むなら、ジップロックに小さくラベリングをしておくのもおすすめです。「ナイト」「メイク」「バス」など、シンプルな単語を書いておくだけで、ぱっと見で中身が分かります。
忙しい朝や、チェックアウト前のバタバタした時間帯に効いてくる地味な工夫ですね。
スーツケースの詰め方全体については、容量の活かし方や死角スペースの使い方を詳しくまとめたスーツケースがパンパンにならない詰め方の解説記事も参考になると思います。
化粧品だけでなく、洋服やお土産とのバランスも含めて、「詰める順番」を意識すると、かなり旅がしやすくなりますよ。
液体アルコールとスプレー

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アルコール飲料とスプレー類は、国内線の液体ルールの中でも特にややこしいゾーンです。
「ビールはOKで、スピリタスはダメ」「ヘアスプレーはOKだけど、工業用スプレーはダメ」みたいな話ですね。ここでは、その整理の仕方を丁寧にまとめていきます。
まず、アルコール飲料について。基本的な考え方は、
- アルコール度数24%以下(ビール、日本酒、ワイン、チューハイなど)は比較的制限が緩い
- 24%超〜70%以下(焼酎、ウイスキー、ブランデーなど)は合計5リットル程度までを目安に扱う航空会社が多い
- 70%超の高濃度アルコールは危険物として扱われ、機内持ち込みも預け入れも原則不可
というイメージです。特に沖縄の泡盛や海外のラム、ウォッカなどは度数が高いボトルもあるので、ラベルをきちんと確認しておくと安心です。
「限定の60度泡盛を一升瓶で3本」といったケースでは、合計容量や度数の観点から、航空会社に事前確認しておいたほうがいいラインに入りやすくなります。
次にスプレー類。ここで大事なのは、「化粧品・医薬品としてのスプレー」と「工業用・アウトドア用などのスプレー」を分けて考えることです。
- 化粧品・医薬品スプレー:ヘアスプレー、制汗スプレー、日焼け止めスプレー、虫よけスプレーなど
- 工業用・日用品スプレー:防水スプレー、潤滑油スプレー、塗料スプレー、強力な洗浄スプレーなど
前者については、容器1本あたり0.5リットル、合計2リットルという制限の範囲内であれば、国内線で持ち込み・預け入れが認められるケースがほとんどです。
一方、後者については成分が危険物に該当することが多く、航空会社の危険物リストで「輸送禁止」とされていることがあります。
判断の目安としては、ラベルに「火気厳禁」「高温に注意」「可燃性ガス」などの表示があるかどうか、そして「用途」が日常の身だしなみか、それとも作業用なのか、という2点です。
作業用のものは、たとえ家庭で使うものであっても、航空機の安全の観点からNGになることが多いので、旅行に持っていくものは基本的に「身だしなみカテゴリ」に限定するくらいがちょうどいいかなと思います。
アルコールとスプレーは、それぞれのルールを完璧に覚えるというより、「度数が高いもの」「用途が作業用のもの」は慎重に扱う、というざっくりしたセンサーを持っておくのが現実的です。
そして、迷ったら必ず航空会社の公式サイトや問い合わせ窓口で確認しましょう。この記事で紹介している内容は一般的な目安にすぎず、最終的な可否は公式情報と現場判断がすべてです。
LCC利用時の液体と重量対策

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LCC(PeachやJetstarなど)を使うとき、液体で一番気をつけたいのは「ルール違反」よりも重量オーバーです。
多くのLCCでは、無料で機内に持ち込める手荷物の重量が合計7kg前後に設定されていて、そこで一気に効いてくるのが水や飲料、シャンプーなどの液体なんですよね。
水は1リットル=約1キログラムなので、2リットルペットボトルを1本入れれば、それだけで手荷物重量のうちかなりの割合を占めてしまいます。
そこにノートPCやカメラ、充電器などのガジェット類が入ってくると、あっという間に制限ギリギリ、もしくはオーバー、というパターンになりがちです。
そこでおすすめなのが、「液体はできるだけ機内持ち込みではなく預け入れに回す」「それでも必要な分だけをトラベルサイズで持ち込む」という考え方です。具体的には、
- 飲み物:保安検査後に空港で購入するか、空のマイボトルを通してから給水機で入れる
- シャンプー・ボディソープ:ホテルのアメニティを前提にし、本当にこだわりたいアイテムだけ小分けボトルで持つ
- 化粧水・乳液:トラベルサイズのボトルに詰め替え、フルボトルは預け入れスーツケースへ
という感じです。これだけでも、機内持ち込み手荷物の重量はかなり軽くなります。
さらに、LCCは「機内持ち込み+身の回り品」のルールがややこしいことも多いので、荷物の総量が増えそうな旅行では、最初から受託手荷物込みの運賃プランを選んでおくのも賢い選択です。
料金だけ見ると少し高く感じるかもしれませんが、あとから空港で超過料金を払うことになったり、液体を泣く泣く捨てることになったりするよりは、トータルでストレスもコストも小さく済むことが多いです。
スーツケース自体の選び方も、LCCとの相性を左右します。軽くて容量のあるスーツケースを選ぶと、同じ重量制限でも中身に使える余裕が増えます。
目安としては、60リットル前後のサイズ感が、国内旅行からちょっと長めの旅まで幅広く対応できてバランスがいい印象です。このあたりは、容量別の特徴をまとめた60リットルクラスのスーツケースの解説も参考にしてみてください。
また、LCCは機内の騒音も比較的ダイレクトに感じやすいので、キャスターが静かなスーツケースを選んでおくと、空港内の移動もかなり快適になります。キャスターの静音性や走行性については、静音スーツケースに関する解説記事に詳しくまとめています。
LCCで液体を持ち運ぶときの3か条
- 機内に持ち込む液体は「今すぐ必要な分だけ」に絞る
- お土産の液体は基本的にスーツケースに入れて預ける前提で考える
- 運賃と荷物量のバランスを見て、最初から受託手荷物付きプランも検討する
国内線のスーツケースと液体の持ち込み注意点:まとめ
最後に、ここまでの内容を「国内線スーツケース液体」の観点からざっくり振り返っておきます。情報量が多かったと思うので、頭の中の整理に使ってください。
- 国内線は国際線と違い、飲料などの液体に100mlルールは原則なし
- 化粧品・医薬品・スプレー類には1容器0.5L/合計2Lという一般的な目安がある
- アルコール飲料は度数ごとに扱いが分かれ、高濃度アルコールは危険物として輸送不可になりやすい
- 工業用スプレーやガスボンベ、溶剤系の液体は、スーツケースに入れても飛行機自体に載せられないことが多い
- LCC利用時は「液体そのもののルール」よりも「重量オーバー」に注意するのがポイント
国内線スーツケース液体のルールは、一見すると細かくてややこしく感じますが、ベースにあるのは「危険物はダメ」「一部の液体には数量の目安がある」というシンプルな発想です。
そこにJALやANA、LCC各社の運用の違いが乗っかって、少し複雑に見えているだけなんですよね。
このガイドでは、経験も交えながら、「どの液体を機内に」「どの液体をスーツケースで預けるか」「そもそも飛行機に載せないべき液体は何か」という整理をしてきました。
とはいえ、ここでお伝えした内容はあくまで一般的な目安であり、実際の取り扱いは利用する航空会社や空港、国土交通省などの最新の公式情報が最優先です。
なので、最終的には、
- 正確な条件や禁止品目は、必ず航空会社・空港・公的機関の公式サイトで確認する
- 判断に迷うものがあれば、事前に問い合わせ窓口や専門家に相談する
- この記事は「全体像をつかむための地図」として活用しつつ、最終判断はご自身の責任で行う
この3つを意識してもらえたらうれしいです。
国内線スーツケース液体のルールさえクリアにしておけば、出発前に「あれは大丈夫かな」「これは怒られないかな」とソワソワする時間がかなり減ります。
あなたの次のフライトが、荷物周りの不安から解放されて、もっと身軽で楽しい旅になりますように。


